ほっかいどんの英国日記

英国で働く駐在員が現地の英語や生活情報をお届けします

「仰ることは分かりますが…」と相手に理解を示す英語表現

英国で仕事を行うなかで日本との文化の違いを感じることは多々あります。そのうちの一つが「合意」です。日本人(少なくとも私)の感覚で気軽に『わかりました』と言う感覚で"I understand"や"I agree"と言うのはちょっと危険です。こちらは気軽に言ったつもりで後から変更をお願いしても『いやいや合意(agree)したでしょ』と言われて面倒なことになりかねません。したがって、相手の主張に同意していない場合には、『仰ることは分かりますが…』と返答して切り返す必要があります。

以下で『仰ることは分かりますが…』を表すフレーズを4つ紹介します。ネイティブの先生から教わったニュアンスも併せて紹介します。

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目次


That makes sense

最もシンプルに相手に理解を示す表現がこの"That makes sense"です。「なるほど / それは理にかなっている / 話の筋が通っている」という意味の中立的な表現です。頻繁に使用されます。

重要な点は、"That makes sense"は「(ある前提のもとでの)相手の話の論理に同意している」と言っているだけだということです。「相手の主張への同意」については何も触れていません。したがって、文脈に応じて、主張への同意を(暗に)表すフレーズとして使えますし、論理への理解を示しておいて切り返す際のフレーズとしても使えます。

That makes sense. But I still don't understand the assumption.

(なるほど話は分かりました。しかし仮定がまだよくわからいのですが。)


I see what you mean

鉄板の表現です。直訳すると表題の「仰ることは分かります」になります。この表現も「相手の発言に対して理解を示している」と言っているだけで、「相手の主張を理解した」とは言っていません。むしろこの表現には「相手の主張は受け入れられない」という含みがあります。さらに、ネイティブ先生によると、『僅かに、あしらう(patronise)ようなニュアンス』があるとのことなので連発しないように気をつけましょう。


I see where you are coming from

ネイティブ先生オススメの表現です。変わった表現ですが時々耳にします。日本語に直訳すると「あなたがどこから来たのか分かった」となりますが、もちろん出身地や住所について言っているのではありません。「どの立場や視点から発言しているか分かった」という意味です。上の2つは論理に理解を示す表現でしたが、この表現は感情的(synpathetic)に理解を示すときに使います


I can see how you've come to that conclusion

先程のThat makes senseと同様に、相手の論理に理解を示す表現です。ただし、こちらの場合は「本当は同意していないけど…」という含みがあります。

「論理に理解を示している」というのは"I see"と"I can see"の違いにも現れています。ネイティブ先生によると、前者はどちらかというと「とっさの瞬発的な」反応、後者は「一瞬考えた上での」反応だそうです。したがって、"I can see how you've come to that conclusion"では can を付けることによって「考えた」というニュアンスを加えています。一方、上の"I see where you are coming from"では、あえてcanを付けないことで「直感的・感情的」に理解を示していることを表しているのです。


まとめ

今回紹介した4つのフレーズは微妙にニュアンスが異なるので、状況に応じて使い分けることで効果的に議論を進める手助けになると思います。また、議論において適切なタイミングで切り返す際に使うことが多いので、とっさに早口で言えるように練習しておくと良いと思います。

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