ネイティブに添削してもらった日記を引き続き紹介します。前回までのあらすじは『家の向かいの公園でやっていたイベントに参加しようと思っていたら入場料が高くて驚いた』というところまでです。
今回は日記の最後の部分を紹介しながら、give up と give up on の違いについて説明します。
目次
日記
今回は4について説明します。
- During this week, it seemed the nearest station from my flat had been busyer than usual in the morning.
- A big event had been on this week in XXX park, which is across the street from my building, and today was the last day.
- My wife and I were thinking of visiting the event, but the admission fee was about £100 per person and too expensive for us.
- After a long discussion, we gave up entering the place but walked about in the area.
添削
4文目
After a long discussion, we gave up entering the place but walked about in the area.
After a long discussion, we gave up on entering the place but walked about in the area.
(長い議論の後、私達は入場を諦め、周囲を歩いた。)
give up / give up on
添削前の文は文法的には間違っていません。On が付くかどうかの小さな違いですが正しく使い分けなければいけません。
ネイティブによると、『Give up doingは、すでに行っていたことをやめるときに使う』が『Give up on doingはアイディアの段階で諦めるニュアンスがある』とのこと。よってこの日記の文脈では『まだ(物理的に)入場しようとする前に諦めたので give up on doing を使うべき』とのことでした。
日本語でもよく「ギブアップする」と言うので、give upの方が馴染みがあると思いますが、give up onも正しく使えるようにしなければいけませんね。。
give up on のその他の使い方
ところで give up on は、目的語として「人」を取る用法がより一般的です。目的語として人を取ると、「(これまで面倒を見てきたり、状況が改善されるように手助けしてきた)~を見捨てる」という意味になります。
Please don't give up on me!
(私を見捨てないで!)
この例文からは、「別れを告げて出ていこうとする恋人を泣き崩れながら必死に止めようとする人」もしくは「親に冷たい言葉をかけられ見放されそうになった子供」が連想されます。少し強い表現なので、目的語に人を取る用法には気をつけたほうが良いでしょう。
文法的に「正しい」間違いを減らすには?
今回は give up と give up on の違いを説明しましたが、このような「文法的に正しいけれど微妙に意味が違う」間違いは自分で気づきにくいところです。
さらに厄介な問題は、読み手のネイティブに誤解を与えてしまう可能性があることです。明らかな文法ミスであれば、読み手のネイティブは「これは文法ミスだな」と思い文脈から意味を推測したり、それができなければ解釈を保留できます。しかし、なまじ文法的に正しいとネイティブは間違った意味で捉えたまま次の文に進んでしまいます。
今回の添削では give up doing が文脈的に不自然だったため、先生が私の間違いに気づきました。しかし「文脈的に自然な間違い」であれば見過ごされていた可能性もあるわけです。つまりネイティブの添削に頼っていても改善されない問題なのです。
ではどうしたら改善されるのか、という疑問に対する私の考えは、
- とにかくたくさんアウトプットして
- 「違和感」を感じたら自分で調べる
ことです。この「違和感」というのは、
- 聞き手のリアクションを見て感じる違和感と
- 自分で書いたり話したりしてしっくりこないと感じる違和感
に分けられます。前者は会話の中で『あれ?さっき説明したはずなのに話が噛み合わないぞ…?』と思うときです。後者は…うまく説明できませんが何かおかしいぞと自分で感じるときです。
いずれにせよこの「違和感」を感じるためには、とにかくたくさんアウトプットすることが必要です。アウトプットしなければ間違いを犯すことすらできないのですから。
まとめ
今回は give up と give up on の細かい違いを説明しました。このような「文法的に正しいけれど微妙に意味が違う」間違いは自分で気づきにくいですが、大量にアウトプットすることで少しづつ拾っていけるはずです。私もまだまだ道半ばなので、できるだけアウトプットを増やしていけるように頑張ります。
前回、前々回の日記添削についてはこちら。